Google カスタマーマッチとは?【CRMデータを利用した広告配信】
昨今、Cookieに対する規制が厳しくなっています。
Appleの「ITP2.3」、Google「3rd Party Cookie 規制」、欧州の「GDPR」、カリフォルニア「CCPA」のようにCookieの規制が強化されつつあります。
そのため、今後は自社が保有している顧客のデータを活用することが重要になってきます。
そこで今回は、Google社のCRMデータを利用した広告配信が可能な広告メニューを解説します。
Googleカスタマーマッチの概要
Googleカスタマーマッチとは、Google広告のターゲット設定オプションの1つで、Google利用者の中から既存の顧客を見つけ出す機能です。
自社の既存顧客データを活用することで通常のオーディエンスと比較して、より精度の高い広告配信が行えます。
類似の広告手法としてFacebookのカスタムオーディエンスやTwitterのテイラードオーディエンスなどの手法が存在します。
Googleカスタマーマッチの媒体仕様
媒体によって変動がある要素として、以下のポイントがあります。
- 利用条件
- マッチングキー
- 配信先
- 配信に必要な最低マッチ数
利用条件
Google社のカスタマーマッチを利用するには、以下のような制限があります。*Google ヘルプページより抜粋
- これまでポリシーを遵守してきた実績があること
- これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
- 90 日以上の Google 広告のご利用実績があること
- ご利用金額が全期間で 5 万米ドルを超えていること(米ドル以外の通貨でアカウントを管理している広告主様のご利用金額は、その通貨の月別平均換算率により米ドルに換算されます)
マッチングキー
以下のようなマッチングキーが利用可能です。
- メールアドレス(Gmail)
- 電話番号
- 氏名(名)
- 氏名(姓)
- 国
- 郵便番号
- モバイルデバイスID(IDFAやADID)
以下は各CRMデータのフォーマットについて記載します。
- メールアドレス(Gmail)
- 列のヘッダー
- 説明とフォーマットのガイドライン
- すべてのメールアドレスにドメイン名を含めてください(gmail.com や hotmail.co.jp など)
- メールアドレスに含まれる空白はすべて削除してください
- サンプル
- example@email.com
- test@gmail.com
- 列のヘッダー
- 電話番号
- 列のヘッダー
- Phone
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 国コードを含めてください
- サンプル
- 1 (234) 567-8910
- 81-12-3456-7891
- 02 1234 5678
- 列のヘッダー
以下4つは注意が必要です。
- 氏名(名)
- 氏名(姓)
- 国
- 郵便番号
「First Name」、「Last Name」、「Country」、「Zip」の 4 つの列見出しをすべてデータファイルに含めます。この必須の列見出しが 1 つでも欠けていると、ほとんどの場合にアップロードがエラーとなります。
- 氏名(名)
- 列のヘッダー
- First Name
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 名前の前に敬称を付けることはできません(例: Mrs.)
- アクセント記号は使用できます
- サンプル
- john
- zoë
- 列のヘッダー
- 氏名(姓)
- 列のヘッダー
- Last Name
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 名前の後に称号を付けることはできません(例: Jr.)
- アクセント記号は使用できます
- サンプル
- smith
- smith-jones
- pérez
- 列のヘッダー
- 国
- 列のヘッダー
- Country
- 説明とフォーマットのガイドライン
- ISO の 2 文字の国コードを使用してください
- 顧客データがすべて同じ国のものである場合も、国コードを含めてください
- サンプル
- 米国: US
- シンガポール: SG
- 列のヘッダー
- 郵便番号
- 列のヘッダー
- Zip
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 米国の郵便番号と国際郵便番号の両方を使用できます
- 米国の場合
- 指定できるのは 5 桁の郵便番号です
- 5 桁の後に 4 桁の拡張コードが続く形式も使用できます(一致率が向上する可能性があります)
- その他の国の場合
- 郵便番号の拡張コード部分は省略してください
- 94303
- 94303-5300
- WC2H 8LG
- 郵便番号の拡張コード部分は省略してください
- 列のヘッダー
- モバイルデバイスID(IDFAやADID)
- 列のヘッダー
- Mobile Device ID
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 「Mobile Device ID」の見出しが付いた 1 列だけを使用します
- ファイルには、モバイル端末 ID データだけを含めます。一緒に他の種類のデータを含めることはできません
- 有効期間は最大 540 日間です
- 列のヘッダー
配信先
配信先も複数選ぶことが可能になります。
- Google 検索
- Google ショッピング
- YouTube
- Gmail
- GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)
GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)は、2019年10月頃より配信先の対象となりました。
Googleのポリシー上、個を特定して配信することはGoogleのプロダクトである「Google 検索」「Google ショッピング」「YouTube」「Gmail」のみでした。
ポリシー変更があり、ディスプレイ面にもGoogle カスタマーマッチの利用が拡大しました。
配信に必要な最低マッチ数
CRMデータを利用した配信には、マッチをかけた”後”のボリュームが重要になります。
自社が保有する顧客データと、Google社が保有する顧客データが一致しなければ広告配信の対象にはなりません。
そのため、以下のように配信に必要な最低マッチ数の仕様があります。
- 配信に必要な最低マッチ数
- リマーケティング配信:1,000マッチ以上
- 類似拡張配信:媒体非開示
リマーケティング配信は、マッチした人に対して広告出稿をする方法です。1,000マッチから配信可能になります。
類似拡張配信は、マッチした人に類似しているユーザーに広告出稿をする方法です。媒体非開示ですが、上記同様に1,000マッチほどを目安にするといいですね。あまり少なすぎても、類似拡張するときに偏ってしまう可能性があるためです。
Googleカスタマーマッチのユースケース
CRMデータを利用した広告配信のユースケースも解説しています。
以下のようなユースケースが考えられます。
- 広告配信の抑制
- アップセル&クロスセル
- オプトアウト顧客へアプローチ
- メール未開封者へのアプローチ
- 休眠顧客の掘り起こし
- 類似拡張配信
各ユースケースの詳細は以下の記事を参考にしてください。
CRMデータを利用した広告配信のユースケース【解説】 CRMデータを用いることで、今までの広告配信の幅を広げながら、既存顧客や新規顧客にアプローチをすることが可能になります。 CRMデータを利[…]
既存顧客から新規顧客まで、一貫してCRMデータを活用した広告配信が可能になります。
通常のCookieを利用した広告配信に加えて、CRMデータを利用した広告配信にも積極的に取り組み時代になっています。
他の媒体でも利用可能ですので、気になる方はこちらからどうぞ。
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以上がGoogleカスタマーマッチの詳細となります。
今後の広告配信の参考になれば幸いです。