Facebook カスタムオーディエンスとは?【CRMデータを利用した広告配信】
昨今、Cookieに対する規制が厳しくなっています。
Appleの「ITP2.3」、Google「3rd Party Cookie 規制」、欧州の「GDPR」、カリフォルニア「CCPA」のようにCookieの規制が強化されつつあります。
そのため、今後は自社が保有している顧客のデータを活用することが重要になってきます。
そこで今回は、Facebook社のCRMデータを利用した広告配信が可能な広告メニューを解説します。
Facebookカスタムオーディエンスの概要
Facebookカスタムオーディエンスとは、Facebook広告のターゲット設定オプションの1つで、Facebook利用者の中から既存の顧客を見つけ出す機能です。
Facebookの傘下でもあるInstagramについても同様にこのカスタムオーディエンスが利用可能です。
自社の既存顧客データを活用することで通常のオーディエンスと比較して、より精度の高い広告配信が行えます。
類似の広告手法としてGoogleのカスタマーマッチやTwitterのテイラードオーディエンスなどの手法が存在します。
Facebookカスタムオーディエンスの媒体仕様
媒体によって変動がある要素として、以下のポイントがあります。
- 利用条件
- マッチングキー
- 配信先
- 配信に必要な最低マッチ数
利用条件
Facebookの場合、Googleと違って、過去の出稿金額などの条件はないです。
ただFacebookのカスタムオーディエンス利用規約に同意することは必須です。
規約に同意することで、通常の広告配信に加えて、Facebookカスタムオーディエンスの利用が可能です。
ちなみに1つの広告アカウントで最大500種類のカスタムオーディエンスを作成できます。
マッチングキー
以下のようなマッチングキーが利用可能です。
- メールアドレス
- 電話番号
- 氏名(名)
- 氏名(姓)
- 市区町村
- 州/都道府県
- 国
- 生年月日
- 誕生年
- 年齢
- 郵便番号
- 性別
- モバイル広告ID
- FacebookアプリユーザーID
以下は各CRMデータのフォーマットについて記載します。
- メールアドレス
- 列のヘッダー
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 米国向けフォーマットおよび国際フォーマットで使用できるメールアドレス列は1列です。
- サンプル
-
username@hotmail.co.uk
-
your.name@gmail.com
-
myname@yahoo.com
-
- 列のヘッダー
- 電話番号
- 列のヘッダー
- phone
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 電話番号には、マッチングで使用できるように国番号を含める必要があります。例えば、米国の電話番号の前には1を付ける必要があります。1列に1つずつ、最大3列まで電話番号(区切りありまたは区切りなし)列を使用できます。
- 重要: データがすべて同じ国のものであっても、顧客の電話番号には必ず国番号を付けてください。
- サンプル
-
1-234-567-8910
-
12345678910
-
+44 844 412 4653
-
- 列のヘッダー
- 氏名(名)
- 列のヘッダー
- fn
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 名と名の頭文字(アクセント記号付きまたはなし)を使用できます。頭文字はピリオド付きでもなしでも入力できます。
- サンプル
-
John
-
F.
-
Émilie
-
- 列のヘッダー
- 氏名(姓)
- 列のヘッダー
- ln
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 省略されていない姓(アクセント記号付きまたはなし)を使用できます。
- サンプル
- Smith
- Sørensen
- Jacobs-Anderson
- 列のヘッダー
- 市区町村
- 列のヘッダー
- ct
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 通常用いられる省略されていない市区町村名を使用できます。
- サンプル
- Paris
- London
- New York
- 列のヘッダー
- 州/都道府県
- 列のヘッダー
- st
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 米国と世界の州/都道府県表記(米国の州の省略形を含む)を使用できます。
- サンプル
-
AZ
-
California
-
Normandy
-
- 列のヘッダー
- 国
- 列のヘッダー
- country
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 国はISOの2文字の国コードで入力する必要があります。
- 重要: データがすべて同じ国のものであっても、リストに国の列を設けて必ず顧客の国を含めてください。Facebookは世界規模でマッチングを行うため、この簡単な手順によって、リストからできるだけ多くの利用者をマッチングできます。
- サンプル
- FR
- US
- GB
- 列のヘッダー
- 生年月日
- 列のヘッダー
- dob
- 説明とフォーマットのガイドライン
- Facebookでは18種類の日付フォーマットを使用でき、さまざまな年、月、日の組み合わせ(区切りありまたは区切りなし)に対応しています。
- サンプル
-
MM-DD-YYYY
-
MM/DD/YYYY
-
MMDDYYYY
-
DD-MM-YYYY
-
DD/MM/YYYY
-
DDMMYYYY
-
YYYY-MM-DD
-
YYYY/MM/DD
-
YYYYMMDD
-
MM-DD-YY
-
MM/DD/YY
-
MMDDYY
-
DD-MM-YY
-
DD/MM/YY
-
DDMMYY
-
YY-MM-DD
-
YY/MM/DD
-
- 列のヘッダー
- 誕生年
- 列のヘッダー
- doby
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 誕生年には4桁の数値(YYYY)を使用します。
- サンプル
- 1986
- 列のヘッダー
- 年齢
- 列のヘッダー
- age
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 年齢には数値を使用します。
- サンプル
-
65
-
42
-
21
-
- 列のヘッダー
- 郵便番号
- 列のヘッダー
- zip
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 米国と世界の郵便番号を使用できます。米国の郵便番号には、ハイフンで分けた4桁の拡張郵便番号を含めることもできます。拡張郵便番号は必須ではなく、マッチ率には影響しません。
- サンプル
-
W11 2BQ
-
94104-1207
-
94104
-
- 列のヘッダー
- 性別
- 列のヘッダー
- gen
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 性別を表す頭文字を使用します。
- サンプル
-
M
-
F
-
- 列のヘッダー
- モバイル広告ID
- 列のヘッダー
- madid
- 説明とフォーマットのガイドライン
- 2種類のモバイル広告IDを使用できます。GoogleがAndroid広告の一部として提供するAndroidの広告ID (AAID)と、AppleがiOSの広告フレームワークの一部として提供するApple広告識別子(IDFA)です。
- サンプル
-
AECE52E7-03EE-455A-B3C4-E57283966239
-
BEBE52E7-03EE-455A-B3C4-E57283966239
-
- 列のヘッダー
- FacebookアプリユーザーID
- 列のヘッダー
- uid
- 説明とフォーマットのガイドライン
- Facebook SDKを通じて取得できる、アプリの利用者に対応したIDです。Facebookアプリケーションと関連付けられているユーザーID(数字)を使用できます。
- サンプル
-
1234567890
-
1443637309
-
- 列のヘッダー
配信先
配信先も複数選ぶことが可能になります。
- Facebookニュースフィード
- Instagramニュースフィード
- Messenger
- Facebook Audience Network
このようにどこに配信するかについても選択できます。
基本的な使いかたとしては、
- Facebookのみ
- Instagramのみ
- FacebookとInstagramの両方
が使い方としては多いと思います。
Facebook Audience Networkは、Facebook社のネットワークに参画しているメディアに対して、広告配信することができます。
そのため、イメージとしてはGDNやYDNのようなアドネットワークで、Facebook内ではなく、Facebook外に広告配信することが可能になります。
配信に必要な最低マッチ数
CRMデータを利用した配信には、マッチをかけた”後”のボリュームが重要になります。
自社が保有する顧客データと、Facebook社が保有する顧客データが一致しなければ広告配信の対象にはなりません。
そのため、以下のように配信に必要な最低マッチ数の仕様があります。
- 配信に必要な最低マッチ数
- リマーケティング配信:20マッチ以上(1,000マッチ以上を推奨)
- 類似拡張配信:100マッチ以上(1,000マッチ以上を推奨)
リマーケティング配信は、マッチした人に対して広告出稿をする方法です。20マッチから配信可能になるものの、対象となるボリュームが少ないので配信金額としてはかなり少なくなると思います。
類似拡張配信は、マッチした人に類似しているユーザーに広告出稿をする方法です。100マッチあれば、類似する際のタネ(シードセグメント)として利用できます。推奨は1,000マッチ以上なので、できる限り多くマッチさせた方が無難です。
Facebookカスタムオーディエンスのユースケース
CRMデータを利用した広告配信のユースケースも解説しています。
以下のようなユースケースが考えられます。
- 広告配信の抑制
- アップセル&クロスセル
- オプトアウト顧客へアプローチ
- メール未開封者へのアプローチ
- 休眠顧客の掘り起こし
- 類似拡張配信
各ユースケースの詳細は以下の記事を参考にしてください。
CRMデータを利用した広告配信のユースケース【解説】 CRMデータを用いることで、今までの広告配信の幅を広げながら、既存顧客や新規顧客にアプローチをすることが可能になります。 CRMデータを利[…]
既存顧客から新規顧客まで、一貫してCRMデータを活用した広告配信が可能になります。
通常のCookieを利用した広告配信に加えて、CRMデータを利用した広告配信にも積極的に取り組み時代になっています。
他の媒体でも利用可能ですので、気になる方はこちらからどうぞ。
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以上がFacebookカスタムオーディエンスの詳細となります。
今後の広告配信の参考になれば幸いです。