CRMデータを利用した広告配信のユースケース【解説】
CRMデータを用いることで、今までの広告配信の幅を広げながら、既存顧客や新規顧客にアプローチをすることが可能になります。
CRMデータを利用して広告配信ができる媒体としては以下が主流です。
- Google カスタマーマッチ
- Facebook/Instagram カスタムオーディエンス
- Twitter テイラードオーディエンス
- LinkedInアカウントターゲティング/コンタクトターゲティング
上記のような媒体を活用することができます。
この記事では、そのCRMデータを用いて広告配信する際のユースケース(活用方法)について解説します。
6つのユースケースを解説
CRMデータを活用することで、以下のような広告出稿がCookieに依存することなく実施が可能です。
- 広告配信の抑制
- アップセル&クロスセル
- オプトアウト顧客へアプローチ
- メール未開封者へのアプローチ
- 休眠顧客の掘り起こし
- 類似拡張配信
などの6つほどにわけることができます。
ひとつひとつ解説していきます。
①広告配信の抑制
CRMデータにマッチした人を広告配信の対象から除外することが可能になります。
会員登録や商品購入した人に対して、新規獲得用のクリエイティブでの訴求がいつまでも配信されてしまっていては、無駄な広告費を垂れ流していることになります。
また顧客体験としてもよくありません。一度顧客との接点ができたタイミングで、その顧客へのメッセージは変えることが顧客との関係値をより強固なものへ変えていきます。
CV(コンバージョン)ページにタグを仕込み、CVした人を除外することは一般的ですが、Cookieの規制も強化されていますし、Cookieは保持期間やユーザー自身が削除可能です。
そのようなCookieに依存されないかたちで、広告配信の除外を精緻に行うためにもCRMデータの活用が重要になります。
②アップセル&クロスセル
CRMデータにマッチした人に対して、広告配信のクリエイティブを適切なメッセージに変えることでアップセルやクロスセルが可能になります。
ECサイトなどで、一度商品を購入した人に対して、購入した商品に関連する別商品を訴求したり、クーポン訴求をすることで、リピートを促すことが可能です。
例えば、スマートフォンを購入した人に対して、その購入したスマートフォンのフィルムやケースを的確に広告配信ができれば、購入される確率が高まりますよね。
また資料請求をした人に対しては、セミナー集客の告知をして見込み客のナーチャリングにも活かすことが可能になります。
③オプトアウト顧客へアプローチ
既存顧客のメールアドレスを保有しているけれど、メルマガ配信拒否している方も少なくありません。
そのようなオプトアウトしている既存顧客に対して、メールを配信することができないため、顧客との接点が薄くなってしまいます。
そのため、ブランドスイッチや休眠顧客予備軍になってしまう可能性が高まります。
メールが届かない既存顧客に対して広告配信をすることで、キャンペーン告知ができるのでリピート購入されるなどの効果があります。
オプトアウトしている顧客をどう捉えるかはその企業次第ですが、ビジネスチャンスを広げることにもつながるため、積極的にアプローチしたいですね。
④メール未開封者へのアプローチ
オプトアウトしていない既存顧客に対して、メルマガなどの配信は可能です。
メールを送ることで、キャンペーン告知などの情報を届けることが可能ですが、そのメールについても開封率があります。
開封率が仮に10%とした場合、残りの90%の既存顧客にはなにも情報が届いていないことになりますよね。
それではオプトアウトしている顧客と同様に情報が届かない状況になるので、ブランドスイッチや休眠顧客予備軍になってしまう可能性が高まります。
メールが届かない既存顧客に対しても積極的に情報発信をする上でも、適切なメッセージで広告配信することが重要です。
⑤休眠顧客の掘り起こし
既に自社サービスの利用をしなくなってしまった既存顧客もいると思います。
休眠してしまった既存顧客に対して、魅力的なキャンペーン告知を行うことで、休眠顧客を復活させることも可能です。
例えば、ECサイトを利用した既存顧客が過去1年間にECサイトの利用がなくなってしまった顧客に対して、キャンペーン告知を行うことで、ECサイトでの再購入を促すことが可能です。
また、過去の成約に至らなかった顧客の掘り起こしにも利用可能ですので、さまざまな業界でこのような広告配信に利用できます。
⑥類似拡張配信
類似拡張配信は、ルックアライク(Look a Like)と呼ばれたりしますが、対象セグメントに近しいユーザーに対して広告配信することが可能になります。
通常、類似拡張配信をする場合は、媒体社が用意したセグメントを活用します。
例えば、美容家電を訴求する場合、【女性 x 美容に興味がある】という媒体が保有するセグメントを選択し、そのセグメントに該当する人に類似したユーザーに広告配信をすることを類似拡張配信と呼びます。
そのため類似拡張配信は、そのセグメントに類似するため、ターゲットとしてはちょっと広めになるイメージです。
ここでCRMデータを利用する場合を考えると、媒体社のセグメントを利用するわけではなく、既存顧客(既にファン)にウェブサイト上の属性や行動履歴が類似しているユーザーに広告配信をします。
そのため、媒体社側では考えられないような属性なども考慮しながら、広告配信の効率を高められる可能性があります。
ユースケースのまとめ
CRMデータを活用した広告施策について解説しました。
6つのユースケースを解説しましたがいかがでしたでしょうか。
- 広告配信の抑制
- アップセル&クロスセル
- オプトアウト顧客へアプローチ
- メール未開封者へのアプローチ
- 休眠顧客の掘り起こし
- 類似拡張配信
主に①〜⑤については既に自社の顧客になっている方に対してのユースケースです。
⑥については、新規見込み客の獲得する際のユースケースになります。
このように新規獲得から既存顧客へのアプローチが可能です。
昨今はGoogle社のCookie規制やGDPR、CCPAによるCookieへの考え方が変化しつつあります。
今後はますますCRMデータを活用した広告配信が重要になると推測されます。
CRMデータを用いた広告配信で、通常の広告配信と併用する事で、より効率的な広告配信を実現していただけますと幸いです。
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以上がCRMデータを活用した広告配信のユースケースとなります。
ご参考になれば幸いです。
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